松坂屋本店の宿泊レポート

この宿にあって、他の宿が持ちたくても絶対にもてないものとは、分かりますよね?それが湯です。フレッシュな状態では透明なグリーンで、空気に触れて時間が経つに連れてミルキーグリーンや白濁にっていくそうだ。全国的に見ても透明なエメラルドグリーンの湯というのはやはり、だいぶ珍しいようだ。

箱根・芦之湯温泉 松坂屋本店 宿泊レポート

 

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朝食です。昨晩と同じ半個室の食事処でいただきます。

サラダはオープンキッチンのカウンターにビュッフェスタイル(バイキングと言ってはいけない)で盛られています。氷にのせられてシャッキシャキ。ドレッシングがその奥に5種類くらい見えますね。

 

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干物も選びます。エボダイ、アジ、カマス。選ばせるのが好きらしい。

 

 

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つぶつぶオレンジで体も目を覚ます。

 

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先ほど選んできたエボダイ。

アジもカマスも食べる機会は少なくないのでエボダイを・・・という理由もあるけど単純に"タイ"という名がつけば何か得した気分なので。この干物板長の知人から仕入れているそうだ。
焼きたてでコリャ旨い。

 

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前菜 サザエエスカルゴ風、寄せ鱧(はものにこごり)、手長海老黄身衣、南京カステラ、鮎の有馬煮

さて、夕食です。

自分の食事の時間はチェックインのときに名刺サイズのカードに書いて渡してくれる。食事の時間をよく忘れる自分としてはありがたい。若旦那は昔、箱根のクラシックホテル、富士屋ホテルで修行したというからその辺から取り入れたのかもしれない。

食事処はロビー近くの階段から2階へ上がっていく。木の風合いを全面に出した食事処だが間接照明のせいかなぜか都会的に感じる。

 

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特徴的であるオープンキッチンで板長さんがなにやら仕事をしている。
カウンターには新鮮そうな尾頭付きが3尾、氷にのせられている。造りにする魚のようだ。

私はカメラなど荷物があったためかその脇をぬけて一度席まで案内された。 

 

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こちらは、通常のおつくりで、手前から時計回りにアオリイカ、炒りウニを巻いたスズキ、伊勢海老。

緑の葉に盛られて瑞々しい。造りはセッティングされているものが3品あり、そのあとでオープンキッチンで選ぶものも1品あるから結構造りのオンパレードだ。セッティングのものは、あおりイカの炙り、炒りウニを巻いたスズキ、伊勢海老。

そして先ほどオープンキッチンの金目、シマアジ、鯛から選んできたのがシマアジ。

 

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ソムリエの資格を持つ方がいるので、お酒好きは楽しめるかもしれません。

「下戸なわたしにでも飲めそうなものを」、と頼りないオーダーをすると、梅のカクテルを作ってくれた。張り合いのお客でゴメンなさいね。小田原の曽我梅林の梅を使っているそうだ。大変美味しかった。

 

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先付けの枝豆豆腐

 

 

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 何が出てきたのでしょう。蒸気が上がっています。

 

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蓋を開けてみるとこうです。焼物 米茄子田楽、焼伊佐木

蒸気が吹き上がっている。子供だましだろうと意地悪に構えていたら、味噌の付いた茄子がなかなか旨いではないか。味噌の後味がやさしいのだ。 

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口直しに塩シャーベット。気が利いてますね。

 

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酢肴 酒蒸し鮑オレンジ。味は良かったが個人的にセロファンはどうもなじまない。

 

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変わり鉢 牛宝楽焼。チーズがしいてありなかなかおもしろい味。牛肉も美味しかった!

 

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揚物 蓮根団子(おくら)

 

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桃のゼリーよせ。白あんのようななにかのおかげで浮ついた味にならない。落ち着いた品をとじこめてある。

 

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よだれが出てきそうな湯の色です。

なんだかんだ言ってきましたが、この宿の中心にある価値、他の宿が持ちたくても絶対にもてないものとは、分かりますよね?それが湯です。命が宿ってるかのように表情を変えていくこの宿の自家源泉はは、建物がどんなに変わろうが、変わらず湧き出している時を超た財産なのだ。

約2年ぶりのご対面となる、松坂屋のお湯!
大浴場の戸を開け、これぞ「温泉の匂い」。と気分が上昇してくる。
子供の頃の青森の山中での温泉体験から、温泉て全てイオウの匂いがするもんだと思っていた。
今その匂いに全身がつつまれている。

 


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大浴場は男女交代制。こちらがもう一方の浴場。
今日の"お湯の表情"はコバルトブルーのようにも見える。外の緑とコントラストも美しい。

 

この宿のお湯の素晴らしさを教えてくれたのは温泉ビューティ研究家である温泉ソムリエの石井宏子さん。女性誌やテレビの温泉特集などで活躍しているのでご存知の方も多いですよね。

曰く、

『ミネラルをバランス良く配合し、めぐる(硫黄泉)、落とす(炭酸水素塩泉)、潤う(硫酸塩泉)が三位一体となって働くマルチビューティ温泉。まさにゴールデンバランスの美容液のようなお湯』

とべた惚れなのです。

 

私も優れた知覚を持っていれば皆さんにこの湯の素晴らしさを伝えられると思うのですが、背伸びはできませんね。

もともと泉質がいい上にこの宿は「源泉主義」をかかげて、湯の扱いに一切の妥協が無い。
この希少な湯をあくまで自然のまま、湯舟に落とす。大浴場も、客室の露天風呂も足湯も。そこから生まれるなんともいえない本物感が好きなのです。

それにしてもなんとパワーのある湯だなぁ。

それがどんなパワーなのか私にはどうにも説明できないので、これは実際に感じてもらうしかありません。

湯上りは手がすべすべしてきて、う毛穴の汚れを掃除してもらった気分だ。

 

 

 

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こちらは部屋の露天風呂のお湯。

もともとはまったく一緒のお湯なのですが、全然色が違いますね。

フレッシュな状態ほど透明度が高く、空気に触れる時間が長いとだんだん白濁してくるそうだ。
たった2回泊まっただけの経験ですが、もしかしたら部屋の風呂のほうがグリーン系のお湯の率が高いのではないでしょうか

 

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部屋をいくつか見せてもらった。

 

 

 

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まずは芦刈荘から。こちらがしばしばメディアに登場する「姫沙羅」という部屋。

メゾネットタイプ、つまり1階も2階も自分達の部屋。こりゃ贅沢ですな。

庭には露天風呂と一風変わった足湯。

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こちらがその2階。

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デスクスペースもあります。

 

 

 

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こちらは離れ。

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皇族の方も泊まった部屋らしい。

 

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欄間にも立派なものです。

 

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一度部屋を出て通路をはさんだ反対側に専用の露天風呂があるが、正直なところ湯舟はかなり狭く、完全に一人専用。一人でも身動きは取れないくらいだと思ってください。

源泉にこだわるがゆえにこの大きさになっているものと思われます。

 

 

 

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こちらは東館「雲井」。古きよき日本の風情を味わうなら、ここがいいかもしれません。

次回はここに泊まってみたいな。

 

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部屋は2階にあり、回廊から見下ろす日本庭園はなかなかなものです。

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こちらも広くはありませんが、ちゃんと風情よくつくられた内湯があります。

 

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そして、私が今回宿泊した西館の「菊」。

部屋に温泉はありませんが、かなりゆったりな気分を味わえます。古いものが土台にあるのだろうがそれが見事にモダンに仕上がっていて、しかもベッドルームがあるから、使い勝手もかなりいい。

 

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私はこの宿の大浴場が好きなのであえて部屋のお風呂には執着しない。そういう向きにはこの部屋はいいです。なにしろ箱根という立地でありながらこのステキな雰囲気で21,000円。コストパフォーマンスはなかなか高いといえます。

その他の写真は本編でお楽しみください。 

でも何しろ土台は昔ながらの木造ですので、階下にもお客様が宿泊されていることを忘れずに。
実はわたくし椅子に足を引っ掛けてしまい、よろめいて「どたっ・どたっ・どたっ」とやってしまったのですが、下のお客さんを非常にびっくりせてしまったのではないだろうか。

 

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箱根です。写真は芦ノ湖を見下ろす高台から。

 

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 訪れたのは芦の湯温泉。

ここね、避暑地の雰囲気ですよ、まさに。

箱根ってメインから外れると結構こういうところが残ってるんですね。

 

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今宵のお宿は松坂屋本店。名前だけ聞くと百貨店のようだけど、れっきとした温泉宿。

ここの湯が珍しく、フレッシュな状態では緑がかっていいて、空気に触れて時間が経つに連れて白濁はコバルトっとぽくなったりする。どんな色になるのかは気候などの条件で様々なようで、宿の人でさえ

「今日はどんな色してるだろう~」

ってな具合だ。

さらにというかここがもっと大事なところだが温泉の成分が美肌にいいと、温泉ビューティーの石井さんお気に入りの湯なのだ。

 

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 松坂屋は再来年350周年を迎えるそうだ。つまり、と~っても歴史が長い。

 

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 それが数年前に大幅にリニューアルした。

大きな決断だったと思う。

メディアの影響で、松坂屋は宿全体が和モダンのデザイナーズ旅館と思っている方もいるかもしれないが、昔のまんまなとこが随所に残っている。それが味でもある。

 

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これ気に入ってる写真です。どことなくクラシックホテルほようでもありませんか?

 

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資料館。

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 明治維新後、桂小五郎がここ芦之湯温泉の松坂屋に滞泊し、西郷隆盛と三条実美が迎えに来たというからこりゃスゴイ。ここにはそんなことが書かれています。

司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読み終えたばかりの私には、胸躍ることなのです。